雨水は汚れているのか、きれいなのか、どっちだ?

雨水は汚れている、汚いと言われる。しかし、外を降る雨を見る限り、汚れているとは思えない。ただ、きれいともいえない感じがする。

ここではそんな、雨水の汚れについてご紹介する。


1.雨水

結論から申し上げる。雨水は汚れている。それは雨の源(みなもと)である雲のできるプロセスを見るとわかる。

2,雲のできるプロセス

雲は、湿った温かい空気と冷たい空気がぶつかるとできる。たとえば、冬の寒い日、息が白くなるだろう。あれだ。あの白い息がでかくなったものが雲と考えればよい。

3.空気だけでは白くならない

しかし、実は湿った温かい空気と冷たい空気がぶつかるだけでは白くならない。湿った空気に含まれる水分を水滴にするものが必要になる。

それは微粒子と呼ばれるものだ。空気中のほこりなどもそれに含まれる。

つまり、湿った暖かい空気と冷たい空気がぶつかるときに、どちらかにもしくは両方に微粒子が含まれていると、その微粒子のまわりに水滴が付くのだ。それが沢山集まると白く見え、さらに集まると雲になる。

4.飛行機雲

良く晴れた日にそれを見上げると、高いところを飛んでいる飛行機が白い線を描きながら飛んでいるのを見ることがある。飛行機雲だ。

飛行機雲は、水をたっぷり含んだ空気中を飛行機が飛ぶことでできる。飛行機のエンジンから排出される排気ガスに含まれる微粒子に水滴が付くのだ。それが白く見える。

だから、飛行機が飛んでいても飛行機雲ができないこともある。このときは、飛行機が飛んでいる空気中に水分がほとんどないのだ。

5.南極

以前に、南極の映像を見たことがある。零下30℃とか、恐ろしく寒い場所だ。そういう場所で、防寒着に身を包んだ方たちが作業をされていた。

気が付いたのは、この方たちは呼吸をしているはずなのに、吐く息が白くないのだ。

南極の空気には、微粒子がほとんど含まれていない。そのために、吐く息は白くならない。粒子がないために、水分が水滴になれないのだ。

6.雲

雲は、温かい湿った空気と冷たい空気がぶつかり、そのなかに含まれているほこりなどの微粒子に水滴が付くことでできる。

7.雨

雨は、雲の中に水分がどんどん集まり、雲として保てなくなると雲を形成していた水滴が落ちてきたものだ。

この水滴は、もともとはほこりなどの微粒子の周りについた水分だ。その水滴の周りにさらに水分がついたものが雨となる。

だから、雨の一粒一粒は、ほこりなどの微粒子を含んでいる。そのため、雨水は汚れている。

7-1.降り始めの雨

特に、降り始めの雨は、雲から地上までの間に漂っているほこりなどの微粒子をくっつけながら落ちてくる。いわば空気に降り注ぐシャワーだ。

そのため、降り始めの雨は降り続く雨よりもほこりなどの量がおおい。

夏の暑い日、突然大粒の雨が落ちてくることがある。

ぼたぼた落ちてきて、しばらくして止み、晴れて何事もなかったように乾くことがあるが、その時雨粒の落ちた自動車のボンネットなどに茶色い広がりがいくつか点いている。

大粒の雨がくっつけてきたほこりだ。かなりはっきりとみることができる。

7-2.霧

雲ができるのとよく似た現象が霧だ。きりは、地上付近の温かく湿った空気が急激に冷やされるとできる。霧もほこりを含んでいる。

霧の朝、鼻から霧を思い切り吸い込んでみていただきたい。鼻の奥でほこりのようなにおいを感じることができる。霧がほこりによってできている証拠だ。

7-3..都市部の雨と郊外の雨

都市部の雨と郊外の雨ではどうだろうか?

確かに都市部の上空は郊外に比べて汚れている。しかし、その上の雲の高さくらいになると、都市部で出来た雲は移動するし、郊外でできた雲も都市部に移動する現こともある。

つまり、雨そのものの汚れは変わらない。しかし、雲よりも低いところにある空気は、都市部の方が汚れているから、落ちてくる途中で汚れてしまう。

8.雨水を使う

8-1.飲料水、水道水への利用

水源を雨水に頼らなければならない場合には、雨水を飲料水としてつかう。つかうが、そのまま飲むわけではない。

雨水に含まれるほこりなどの微粒子をきちんとろ過し、滅菌消毒して飲用とする。見ただけでは非常にきれいな感じがしても、目には見えない微粒子などがたくさん含まれている。

川などがなく、地下水も望めない地域の方はきちんと処理をして雨水を使っていらっしゃる。

8-2.雑用水

飲用や、肌に触れる用途(洗濯、入浴)でなければ、雨水の用途はいくつかある。草木、植木への水やりや散水、暑い日の打ち水などはまったく問題ない。なぜなら雨降りと同じだからだ。

そう、雨が降っている時とおなじような用途であれば、雨水は利用できる貴重な水資源として利用できる。

8-3.洗車

一方で、洗車などに使えそうな感じもする。しかし、洗車には使わないほうがよい。先にも書いたが、雨はほこりなどを含んでいる。

洗剤で洗って、流す時に雨水を使うと、ほこりをかけているのと同じになってしまう。そして、ほこりはふき取りの時も悪さをする。

基本、ほこりは非常に細かい砂のようなものだ。それをぞうきんなどでふき取ることは、表面に傷をつけているのと同じになる。

雨水は洗車には使わないほうがよい。使うのであれば、ろ過をして細かい粒子を除去してからのほうがよい。

9.まとめ

雨水は汚れている。パッと見きれいな感じがするが、実は汚れている。それは雨の源である雲ができるプロセスを見ることでわかる。

しかし、そんな雨水も、雨降りとおなじ条件で使うのであれば全く問題ない。

さらには、適切な処理(ろ過、滅菌)を行えば飲料水としても使うことは可能だ。

雨水を利用しようとお考えの方、参考にしていただきたい。

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