あなたは、スーツの洗濯はどうされているだろうか。
多くの方はクリーニングに出されるだろう。
先日、ある方と話をしていたら、ウール100%のスーツのクリーニングの話になった。
その方、ご家族のスーツは、
-
- クリーニングに出したことが無い
という。
全てご自分で手洗いされるとのこと。
コツは、モノゲンという洗剤を使って、軽く押し洗い。
干す際には、乾いたバスタオルなどを押し当てて水気を取り、ハンガーに干す。
丁寧に洗えば、自分で洗えないことはない、というので、さっそくソレガシもやってみた。
ここでは、ウール100%の夏物スーツの手洗いについてご紹介する。
1.スーツを手洗い
ポイントは
-
- 洗剤
- 水の温度
- 漬け置き
- 脱水10秒
- しわをのばす
の5つだ。
2.用意したもの
-
- 洗剤
- スーツハンガー:上着を吊るす。ワーヤーハンガーなどは不可
- スチームアイロン:普通の、スチームが出るタイプのアイロン
- たらい:漬け置きするために使う。今回は、洗面台に洗濯液を張り、その中に漬け込むことにした
2-1洗剤
その方からは
-
- モノゲン
という洗剤を勧められた。
しかし2017年現在、モノゲンはすでに販売されていない。
だから、ほかのおしゃれ着洗い用の洗剤を使うことにした。
おしゃれ着洗いの洗剤は、いくつか市販されている。
その中で、
-
- アクロン
という洗剤を使うことにした。
2-2.スーツハンガー
肩の曲線に合うように作られているハンガー。
型崩れを防いでくれる。
クリーニングから帰ってくる時のワイヤーハンガーや、プラスチック製の薄いハンガーはNG。
形が崩れてしまう。
スーツハンガーをご用意いただきたい。
2-3.洗面台
広めの洗面台であれば、たらいの代わりに使える。
スーツの肩幅が入れば問題ない。
その際、栓をして水を張り10分程度置く。
水漏れがしなければつかえる。
栓が緩いと、水漏れして水が減る。
そういう場合は、排水口にガーゼなどを挟んで栓をし、もう一度確認する。
どうしても漏れる場合には、たらいを購入するか、バスタブを使う。
3.前作業
3-1.色落ちチェック
洗う前に、色落ちのチェックをする。
上着やパンツの目立たない部分に、洗剤の原液を一滴たらして五分ほどおく。
五分たったら、ティッシュなどを押し当てる。
ティッシュの色が変わらなければ問題なし。
変わってしまったら、あきらめるしかないとのこと。
3-2.目立たない部分とは?
よく、
-
- 上着の裾
- パンツの裾
などが引き合いに出される。
しかしこれらを使って、万が一色が落ちてしまったら問題だ。
ソレガシは、パンツの後ろのポケット、生地がポケットに入り込んでいる部分を使った。
普段からボタンで閉じてあるし、万が一色が抜けても全く目立たない。
3-3.洗濯液の調整
色落ちがないことを確認したら、洗濯液の調整に入る。
気をつけるべき点は
-
- 温度
- 水の量
の二点だ。
3-3-1.温度
お湯、冷水は厳禁。
ぬるま湯もちょっと怖い。
なので、手を入れて
-
- ちょっと温かいが、どうかんがえてもぬるい
というレベルで調整した。
結果、okだった。
3-3-2.水の量
洗剤に書いてある通りに調整すればよい
たらいや洗面台を使う場合には、洗面器で水の量を量ればよい
洗面器の容量は、底裏の品質表示に記載がある。
ソレガシの洗面器は2.9リットルだった
今回は、9リットルの洗濯液を調整した。
結果としては、上着が浸かりきらず、少し不足することが判明。
次回は多め(12~15リットルくらい)に調整したい。
3-4.洗濯液を調整する
分量の水を張ったら、そこに洗剤を入れる。
手で軽くかき回して、洗剤と水を十分に混合する。
4.洗い
いよいよ洗う。
結構ドキドキする。
4-1.スーツをつけ込む
まず、パンツを洗濯液に入れる。
投入すると、洗濯液をどんどん吸い込んで、勝手に沈んでいく。
沈むに任せればよい。
その上に上着を置く。
先にもご紹介したが、完全に水の量が少なく、完全に浸かりきらなかった。
浸かりきらないので、ちょっと押してつけても、どうしても端が出てしまう。
別に作って足してもよかったが、ムラになるといやだったので、今回はそのまま続行した。
一度浸かれば十分だろう。
4-2.つけ置く
最低30分つけ置く
洗面台の場合、この間は使えないので注意が必要。
4-3.すすぐ
30分たったら、スーツを取り出す。
一気に取り出すと、崩れてしまうので、注意しながら取り出す。
取り出したら、洗面台の栓をぬき洗濯液を捨てる。
ちなみに、洗濯液はかなり汚れている。
細かい粉じんなどにまみれていたことがよくわかる。
洗濯液を捨てたら、洗面台を軽く洗って最初と同じ温度の水を張る。
なお、取り出したスーツは洗濯液がしたたる。
だから、別に洗面器などを用意して、すすぎの用意ができるまで置いておくようにするとよい。
4-4.すすぎ
すすぎは、ためた水に上着、パンツを入れて軽く押してやる。
沈むくらいに押せば十分。
この作業は二回行えば十分。
一回目の水はかなり汚れる。
二回目の水は、ほとんど汚れていない。
だから、二回で充分だ。
洗濯機のためすすぎが、二回の設定になっていることが良くわかる。
気になるのであれば、三回おこなってもよい。
4-5.脱水
すすいだスーツを洗濯機に入れる。
洗濯機の壁に這わせるような感じで配置。
配置したら脱水開始。
洗濯層が動き出し、高速回転が始まるとホースから水が出る音が聞こえてくる。
音がしなくなって10秒たったら停止
5.干す
上着をとりだし、ハンガーにかける。
この時点で、かなりしわになっているので、正直ビビる。
ハンガーにかけたら、裾を軽く引っ張り、しわをのばしてやる。
脇や袖は、袖の脇や肩口を押さえながら引っ張ればよい。
パンツは、腰回りの8ヶ所程度(前2カ所、横(右左2か所ずつ)、後ろ2カ所)をピンチに吊るす。
吊るしたら腰回りをつまみ、裾を引っ張りながらしわを伸ばす
5-1..アイロン
上着が九割がた乾いたら、裾を軽く引っ張りながらスチームをかける
アイロンによってスチームの出方が違うと思うが、一番強く出るタイミングでかければよい
スチームをかけながら引っ張り、しわを伸ばす。
この工程で、かなりしわが伸びる。
5-2.陰干し、部屋干し
干す際には、ひなたや直射日光は避ける。
かならず、陰干しもしくは部屋干しにする。
6.乾いたら
乾いたら、パンツはアイロンもしくは寝押しをする。
洗うと、折り目が消えるのではないかと思っていたが、きちんと残っていたので安心した。
上着は、思っていたほどしわがない。
というか、洗う前よりもしわが消えていたのにびっくりした。
7.次回への反省など
7-1.洗濯液の量
つけ洗いなので、スーツ全部を洗濯液に漬け込みたい。
今回は9リットルで足らなかったので、次回は12リットルから15リットルくらいを調整したい。
初めての場合は、多めの調整を強くお勧めする。
少なくて後悔するよりも、多くて無駄だと思う方が安心だ。
7-2.取り出す時
漬け置きやすすぎから上着を取り出す時、肩などをつまむとたたんでいる形が崩れる。
服の下に手を差し込み、優しく取り出すようにする。
7-3.干す
上着をハンガーにかけると、水分が下に移動しながら乾いていく。
だから、どうしても下向きに重量がかかりがちになる。
型崩れが気になるので、水分が移動したら乾いたタオルなどで吸い取ってやるとよい。
パンツも同じ。
裾に水が溜まるので、こちらもこまめに水分を吸い取ってやる。
少しでも型崩れを防ぎたい。
7-4.厚手のもの
なお、今回洗ったのは薄手の夏物スーツだ。
冬物は、夏物よりも厚手になり残る水も多い。
型崩れが心配になるので、ハンガー干しの前に平干しが必要となる。
これについては機会を改めてご報告したい。
8.まとめ
スーツの手洗いについてご紹介した。
大変かと思ったが、つけおき洗いであれば、30分程度つけておいてすすぐだけなので簡単だ。
時間と手間がかかる気がするが、一日家にいる日などを見計らって作業すればどうということはない。l
味を占めてしまったので、別のスーツも洗ってみようと考えている。
スーツを手洗いしたい、という方。
参考にしていただきたい。