かゆみ止めや、腫れ止めにステロイドの軟膏やクリームが処方される。
ご存じの方もいらっしゃると思うが、これらステロイドは、悪名高い薬だ。非常に悪いイメージしか持たれない。
- ステロイド禍
などという言葉もあるくらいだ。
しかし、どうもその原因は、使い方にあるようだ。正しいと思っていた使い方で症状が治まらなければ、それは正しいものとは言えないのかもしれない。
ここではそんな、ステロイドに関するソレガシの経験をご紹介する。
1.ステロイドの塗りかた
結論から、申し上げる。べたべたするくらい、多めに塗る。これだけだ。この方法は、ソレガシのかかりつけの皮膚科で教わった。
- 塗る
というよりも、
- 置く
という方がいいかもしれない。厚めに塗るのだ。擦り込まない。厚めに塗り広げる。
教わるまでは、少量を薄く塗り広げていた。この方法は以前、ある総合病院の皮膚科で指示された方法だ。その当時塗ってもかゆかったのは、塗り方に問題があったのだろう。もっとも、そのときのかゆみはなんとか治まったが。
別の症状で、現在の皮膚科に通うようになっても、その指示を守っていた。だから、なかなか症状がとれない。塗っても塗っても症状がぶり返す。
症状がとれないので困り果て、思い切ってドクターに塗り方を聞いたところ、先の塗り方を教えてくれた。総合病院での指示と正反対だったので耳を疑ったが、教わったとおりに塗った。みるみるうちに症状が改善していった。うれしかった。
2.ステロイドの役目
ステロイドは、症状を消すためのものだ。多くの場合、かゆみ対策として塗ることが多いかもしれない。
3.かゆみと掻き壊し
かゆいところを掻くのは気持ちがよい。しかし、掻けば掻くほどかゆみが増したり、かゆい場所が広がったりする。
あまりにもかゆいので、かゆいところをかきむしると、掻いたところの皮膚が固くなって、最終的にはこぶのようになってしまう。結節という。
こうなると、なかなか元に戻らなくなる。だから掻かないようにするのが一番よいが、そのためにはかゆみをなくすことが最も重要だ。
4.症状を止めるのがメインターゲット
薄く塗り広げるのが正しい塗り方かもしれないが、塗ってもかゆかったら意味がない。
もしかしたら塗りすぎかもしれないが、べたべたするくらい多く塗って、すぐに症状が治まればよいのだ。多く塗っても、すぐに症状が治まれば連用を避けることができる。考えてみれば当たり前だ。
まちがっても、少量を薄く塗り広げない。薄く塗り広げると、なかなかかゆみがとれない。かゆみがとれなければ、とれるまで薄く塗り広げ続ける。自然と長期に連用するようになる。効かないので、さらに強いものを使うようになる。完全に悪循環だ。
べたべたするくらい塗るようにしてからは、かゆみのぶり返しもほとんどなくなり、ステロイド皮膚と呼ばれる皮膚の変化もない。
5.ソレガシのケース~手湿疹
パックリ割れは、手の湿疹だ。ステロイドが処方される。
最初のうちは、塗り方をドクターに聞かずに、同じようにできるだけ少量を塗り広げていた。
しかし、毎日塗ってもパックリ割れはなかなか良くならない。一カ所が良くなると、次は別が割れる、というイタチごっこを繰り返していた。
さらには、一度に二カ所とか三カ所が割れてしまい、手を広げると痛い、手を洗うと滲みて痛いなど、傷みに悩む毎日だった。タオルにも血が付く有様だった。
困り果てて、ドクターに塗り方を教わり、その方法に変えたところ、症状がおさまりだした。そのうちに、パックリ割れはなくなり、いまでは処方されるハンドクリーム(サリチル酸ワセリン)で何日かに一度ケアするだけでよくなった。
6.塗り方で変わる
先にも述べたように、ステロイドは症状を押さえるためのものだ。症状の原因を根本的に治療するものではない。
根本的に治療するものではない、とは言っても、まずは現在起きている悩ましい症状をなくさなければお話にならない。
- 塗りすぎはよくない
という認識をお持ちの方もいらっしゃるかもしれないが、かゆいのは、かゆい本人だ。痛いのは痛い本人だ。
多めに塗って症状が改善し、短期間で症状が無くなれば、たとえ塗りすぎであってもその方がよい。
塗りすぎると、再発するとさらに多く塗らなければならなくなるのでは?
と思われるだろう。ソレガシもそう思い、正直なところ躊躇した。
しかし結果としては症状はなくなり、再発もほとんどない。
7.まとめ
ステロイドは、その効果の割に誤解されるケースの多い医薬品だ。その誤解ゆえ、使用方法をとるか、効果をとるかで迷うことになるが、やはり症状がでているのであれば、まずは症状を改善することを最優先とすべきだろう。
多めに使うと、恐いという方もいらっしゃると思うが、まずはいま出ている症状の改善が急務だろう。早く症状が改善すれば、それだけ使用期間も短くなる。
現在使っているが、なかなか症状が治まらない、という方、参考にしていただきたい。