恒常性、恒常性維持とは?

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恒常性、この言葉はあなたも一度は耳にしたことがあるだろう。ヒトの体は、恒常性を維持することで活動ができる。

では、なぜヒトの体は恒常性の維持という機能により、一定の状態に保たれるのだろうか?なぜ体温はほぼ一定なのだろうか?

このことを考え、その仕組みがわかると、いろいろ疑問に感じていたことの答えが見えてくる。

ここではそんな、恒常性の維持についてご紹介する。


1.恒常性

あなたは、体温を測ったことがあるだろうか?ここでいう測るとは、毎日測ることを意味する。

毎日決まった時刻(理想的な時刻でなくてもよい)に測ると、ほとんど変わらないことがわかる。そう、あなたの体温はほぼ一定に保たれている。体温がほぼ一定に保たれるのは、恒常性によるものだ。

恒常性が維持される仕組みについては、いろいろなサイトで解説されているのでそちらをごらんいただければ良いが、では、なぜ恒常性により、体温が維持されるのだろうか?

2.恒常性の維持

結論からいうと、なぜ恒常性により体温が一定に維持されるのかは完全には解明されていない。しかし、次のように考えれば納得できる

    • 一定に保持するのがもっとも効率がよい

すなわち、一定に保持するのが最も効率がよく、省エネであるということだ。

3.一定に保持すること

一定に保持することが最も効率がよく、省エネであることは、日常的にも経験している。代表的なものが

    • 自動車の時速80km走行

だ。自動車は、時速80kmで走行し続けるのが最も燃費がよいとされている。一定に保持するのが最も効率がよく、省エネである代表だ。では、体ではどうだろうか?

4.酵素反応

4-1.エネルギーは取り出される

自動車がガソリンなどの燃料使うのと同じように、体も糖質や脂質を燃料としてエネルギーを作り出している。

このエネルギーを作り出す仕組みは、酵素という物質を介して行われる。

たとえば、エネルギーを持つ物質の例として砂糖を考えてみる。砂糖からエネルギーを作り出す、言い換えれば、取り出す方法の一つに、火をかざすという方法がある。

砂糖は、非常に燃えやすい物質だ。火にかざすと炎を出しながら燃えだす。

すなわち、火という、エネルギーが大きく放出されている状態を接触させることで、砂糖の持つエネルギーが炎という、熱と光に変換させて取り出すことができる。簡単に、温かく、明るく取り出すことができる。

4-2.一度に取り出すのは効率が悪い

しかし、このようにしてエネルギーを取り出す方法には、一つ欠点がある。それは、

    • あっというまに燃え尽きてしまい、長続きしない

ということだ。

人間の体内でも、砂糖の持つエネルギーを取り出す作業が行われている。しかし、それは

    • 火をかざして

のようにではない。体内では、火の代わりにエネルギーを取り出すためのツールとして

    • 酵素

という物質を用いる。この酵素を使って、ゆっくり少しずつ取り出す。ゆっくり少しずつ取り出すと、時間がかかるが長時間にわたりその効果を得ることができる。

4-3.ゆっくり少しずつ、長時間にわたり利用していく

そして、この

    • ゆっくり
    • 少しずつ
    • 長時間

は恒常性と深い関係がある。

5.同じ状態を保持し続けるのは効率がよい

先の時速80km走行もそうだが、同じ状態を保持し続けるのは効率がよい。

起動、停止を繰り返すのは効率が悪いのはもちろん、減速、加速の繰り返しも効率が下がる。余計なエネルギーが必要となるからだ。これは体も同じだ。

5-1.極端に変化させるのは効率が悪い

たとえば、体温を極端に変化させるように体が構成されているとする。これは非常に効率が悪いのは直感的にも理解ができる。

別の例として、次のような

    • 睡眠を一時間ずつ八回とる

ような生活を送るとする。非常に極端な生活リズムだが、非常に効率が悪いのはすぐにお分かりいただけるだろう。

6.恒常性の維持は、効率の最適化、省エネにつながる

このように、同じ状態を保持し続けることは効率が最もよく、それは省エネにつながる。恒常性の維持はまさしくこれだ。

6-1.善し悪しは別として「現在の状態」を維持する

一方で、この「同じ状態の維持」は、体調の善し悪しは関係がない。

つまり、体調が悪い状態が続けば、それを維持しようとする。体温が低ければ体温を低く維持しようとする。

「同じ状態の維持」は、その状態を維持するのが目的で、悪い状態を良くするのは目的ではない。

7.現在の状態の維持

恒常性の維持の具体例を考えてみる。

7-1.体温の維持

毎日体温を測ると、だいたい同じような数値になることがわかる。恒常性の維持により、体温がほぼ一定の状態に維持されている結果だ。

7-2.エクササイズの習慣

エクササイズを続けていると、どうしてもできない日があったりして、なんだか気持ちが悪い。これも

    • エクササイズを続ける

という状態を維持しようとしている結果だ。

7-3.低体温

低体温のその例の一つだ。体温が低い状態は、体にとって良くない。しかし、その状態が長期間にわたり続くと、体はその状態を維持しようとする。

つまり、その状態の維持がもっとも省エネであり、もっとも効率が良いからだ。体の目的は、今の状態の維持であり、その状態が良いか悪いかは関係ない。

冷えほてりなどは、低体温をベースにした恒常性の維持が引き起こす症状なのだ。

7-4.ダイエットの停滞期

ダイエットで必ず訪れる停滞期は非常に悩ましい。これは、ダイエットという人為的な変化が原因だ。

ダイエットは、体の状態を人為的に変えようとする行為だ。エクササイズや食事の制限を行い、体の状態を変えようとする。

ある程度の変化は体も許容するが、一定のレベルを超えるとその変化を危険と判断し、もとの状態へ戻そうとする。その結果として、減っていた体重が減らなくなる。停滞期だ。

ダイエットの停滞期は非常にいやなものだが、それは体の正しい反応なのだ。

つまり、ダイエットによる「変化する」という状態を、体が「通常の状態」と認識するまで停滞期は継続する。だから、停滞期だからといってダイエットを中断すると元に戻ってしまう。

8.体は、今の状態を維持しようとする

いかがだろうか?体は、今の状態を、今までの状態を維持しようとする。その状態が良い、悪いは関係ない。なぜなら、良くても悪くても、その状態の維持が最も効率が良いからだ。

しかし、悪い状態をそのままほおっておくのは間違いだ。悪い状態であると感じたら、やはり良い状態に変えなければならない。

それには時間がかかるが、少しずつ変える方向に持っていけば必ず変えることができる。

9.まとめ

恒常性の維持は、ヒトの体の重要な機能の一つだ。この機能は、エネルギーの効率的な利用、すなわち省エネと密接な関係がある。

しかし、その維持は、その状態の良し悪しは関係ない。良ければよい状態で維持するし、悪ければ悪い状態で維持するのだ。

一方で冷えほてりや、ダイエットでの停滞期など、感覚的に納得しがたい症状、現象も恒常性の維持をご紹介したような構成で理解すれば納得でき、どうすればよいのかも見えてくる。

これらにとどまらず、原因のよくわからない症状でお悩みのかた、参考にしていただきたい。

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