数学、算数をご存じだろう。
好き嫌いは別にして、数を対象とした学問だ。
お金や人数、日程調整など、いろいろな場面で数学、算数にお世話になっている。
しかし、もっとややこしい、微分、積分や、ベクトルなどは、お世話になっている、という気がしない。
中には、
- 研究者の趣味
のようなイメージのものもある。
そんな数学って、役に立つのだろうか?
ここではそんな、数学についてご紹介する。
1.数学は役に立つのか
結論から申し上げる。
役に立つ。
それが、たとえ研究目的のもの、象牙の塔のみのものであっても、役に立つ。
2.円周率
円周率をご存じだろう。
π-パイという記号でおなじみだ。
多くは、3.14という数字で使われることが多い。
3.十数兆桁
この円周率、十数兆桁まで求められている(2014時点、wiki)。
3の次、小数点の右側に十数兆個の数字が連なる。
すべての数字を読むだけでも、不眠不休で一生かかってしまう。
ちなみにこの数字は、スーパーコンピュータを丸一日以上動かして求まる。
スーパーコンピュータ一台数億円。
動かす電気代一日数万円。
かなりの金食い虫だ。
こんなに金かけて、十数兆桁まで求める必要はあるのか?
4.4文字で充分
ちなみに、馴染みのある
- 3.14
は、小数点以下2けただ。
3.14で十分に使えるのに、十数兆桁まで求めるのに意味はあるのか?
日常的な部分では意味はない。
だから、意味はなく、自己満足的なものでしかない。
金返せ。
・・・ではない。
5.桁数の違いの意味
例えば、五万桁と、十数兆桁。
なにが違うのか?
精密さが違う。
桁数だけ比較すれば、五万桁は、十数兆桁の約一億分の一よりも小さい正確さしかない。
つまり、
- ものすごく粗い
精度でしかないのだ。
もちろん、日常生活ではそんな精密さは必要ない。
しかし、精度は高ければ高いほど誤差が少なくなる。
多い桁数は、精度の底上げに貢献する。
6.精度と安心
精度が高くなれば、それだけ安全になる。
安心感が高くなる。
そういうところに影響を及ぼす数字だ。
だから、十数兆桁の円周率は、全く無駄ではない。
7.それ以外への影響
数学の成果は、数学以外への影響がほとんどだ。
自然は、数学の言葉で書かれている、という言葉がある。
よく
- 言葉で言い表せない
というフレーズを耳にするだろう。
自然は、もっと言い表せないことだらけだ。
目の前で起きているにもかかわらず、
- 状況を説明するのが精いっぱい
というのがよくある。
数学は、技術を支える。
数学という言葉で表される自然がもっと増えれば、もっと自然の仕組みがわかるようになるだろう。
8.まとめ
円周率は、日常的には3.14で事足りることが多い。
しかし、2015現在では、十数兆桁まで求められている。
なぜ小数点も入れて、4文字で充分なのに、そんなに大げさなことになるのか。
これは、技術的な精度に関係している。
精度が高いのは、安心、安全にもつながる。
もちろん、日常的に十数兆桁が必要なのではない。
もっと、日常の、目に見えない部分でお世話になっている。
数学の成果は、一見、われわれの生活と何ら関係がないように見えるものが非常に多いが、実は深いところで我々の生活をしっかりと支えてくれているのだ。
なんで円周率の計算にお金をかけるのか理解できない、という方。
参考にしていただきたい。