普段からよく汗をかく方がいらっしゃる。何もしていないのに、ハンカチやタオルが手放せない。
- 新陳代謝がいい
と言われているが、当の本人はそういう自覚はなく、むしろ体の調子が今一つ、と思っていたりする。
ここでは、汗かきの理由の一つと、その対策についてご紹介する。
1.汗と代謝
汗をよくかく人は新陳代謝がよい、といわれる。代謝が活発なので、汗をよくかくのだ、と言われる。
揚げ足を取るが、代謝が活発であればそういう方はそれなりの体型であるはずだ。なぜなら、代謝がきちんと行われていれば、余分な脂肪等は蓄積しないからだ。
2.汗の機能
汗は、体内の温度が上がると、体内から熱を逃がす機能をもつ。体内は、おおむね36℃から37℃の間を保つようにコントロールされる。
3.体内の温度が上がる仕組み
体内の温度が上がる仕組みには、次の三つがある。
- エクササイズ
- 外からの熱の侵入
- 放熱不良
3-1.エクササイズ
これについては問題ないだろう。エクササイズ、すなわち運動すれば汗をかく。これは、運動によって代謝が促進されて体内で熱が生産されたからだ。体表面からの放出では足りない場合に、汗をかく。
3-2.外からの熱の侵入
サウナ、入浴などがそれだ。高温の環境下で、体が熱せられ、体温が上昇する。体表面から熱を放出するが、環境の温度のほうが高いので効果がない。そのため、汗をかく。
3-3.放熱不良
体は、皮膚など体の表面から、代謝によって作られる熱を、常に体温が一定になるように逃がしている。逃がさなければ体の中に熱がこもり、体温が上昇してしまう。
ところが、何らかの原因で放熱がうまくいかず、体内に熱が必要以上にこもってしまうことがある。たとえば、肥満などで脂肪が多い場合が該当する。
3-3-1.脂肪は熱を通しにくい
こんな経験をお持ちではないだろうか?
- 脂ギトギトのスープを飲むときに、ちょっと口をつけたらあまり熱くなかったので、勢いよくすすったら、脂の下から熱いスープが出てきて、めちゃくちゃ熱かった。
脂は、熱を通しにくい。加えて水に浮く。
熱を通しにくい脂が熱々のスープの表面を覆っていたので、その下のスープの熱さがわからなかったためだ。
この例からわかるように、脂は熱を通しにくい。これは体の脂肪にも当てはまる。すなわち、皮下脂肪や内蔵脂肪が多い方は、熱の放散が脂肪により邪魔される。
そのため、肥満でない方にとっては汗をかく必要のないくらいの熱でも、肥満の方は汗をかかなければ外に逃がすことができない。その結果が汗かき、となる。
3-3-2.熱がこもりすぎると代謝が落ちる
一方、熱がこもると体は代謝を抑えようとする。なぜなら、熱が確保されているから、わざわざ代謝で熱を作る必要がないからだ。
代謝が抑えられるということは、代謝が滞ると言うことと同じだ。すなわち、汗をかく必要のないところで汗をかく人は、代謝が活発どころか、逆に代謝が低下していることがある。
代謝の低下は、脂肪の燃焼の低下を引き起こし、燃焼すべき脂肪まで燃焼されなくなる。
4.どうするか?
こもった熱をきちんと逃がせないない場合には、そうすればよいだろうか?
答えは簡単だ。やせるしかない。体表面を覆っている脂肪を減らす以外に方法はない。
4-1.フロントブリッジでやせる
おすすめは、体幹トレーニングだ。そのなかでも、フロントブリッジがおすすめだ。なぜなら、体を動かさないからだ。フロントブリッジの詳しい方法は「ダイエット、ダイエット後の体型維持に最適なフロントブリッジ」をお読みいただきたい。
4-2.関節に負担がかからない
エクササイズというと、膝の曲げ伸ばしが入るものをイメージしやすい。ウェイトオーバーの方にとっては、関節に負担がかかるので故障が心配になる。
そのため、必要とわかっていても「もう少ししてから」になり、もう少しが延々続いてしまう。
4-3.出かけなくてよい
膝にかかる負担を少しでも減らそうと、水中ウォーキングに取り組む。しかし、プールまで出かけるのが面倒くさくなってしまったりする。
その点、フロントブリッジは簡単だ。自分の部屋でできる。しかも短時間だ。
4-4.肘が痛くなるので、要注意
ただし、肘にかなりの体重がかかるので、肘の下にクッションや座布団を置くなどしていただきたい。こちらでも紹介しているが(フロントブリッジでダイエットをするときに、あると便利なグッズ二点)、プールで使うビート板が理想だ。
百均にある、アルミのレジャーシート(一畳サイズのもの)もお勧めだ。二つ折りにして使えば十分に痛くない。
5.まとめ
汗をかくのは健康的、というイメージがある。しかし、蓄積脂肪の影響で体内に熱がこもってしまうような方は、脂肪を減らさなければならない。
熱がこもりやすいと、代謝が低下してしまい、さらに脂肪が溜まりやすくなる。そのような場合には、脂肪を少しでも減らさなければならない。
そのためのエクササイズとして、フロントブリッジをお勧めする。膝に負担がかからないし、自分の部屋ですぐにできる。
脂肪のおかげで、普段から汗かきなあなた。ぜひ参考にしていただき、汗をかかなくて済む日々を過ごせるようになっていただきたい。