効率よくダイエットを進めるには、速筋よりも遅筋を狙って刺激するのが重要だ。
なぜか?
では、速筋はどうなのか?
ここでは、速筋と遅筋のちがいについてご紹介する。
1.速筋と遅筋
速筋と遅筋は良く耳にされると思う。
そして、
- 速筋は、パワー系
- 遅筋は普段使っている筋肉
と言われる。
では、どこの筋肉なのか、具体的なイメージをお持ちだろうか?
言葉ではなく、イメージをお持ちいただくと、エクササイズに対するイメージも変わってくる。
遅筋
2-1.遅筋のイメージ
遅筋のイメージを、機能をとおして間近に見ることができる例がある。
それは生後間ない赤ちゃんだ。
生後間もないあかちゃんは首が据わっていない。
だっこの時に頭を支えてあげなければならない。
しかし、三ヶ月も過ぎると首が据わってくる。
これは、首を支える筋肉がきちんとつき、機能しだした結果だ。
この首についた筋肉が遅筋だ。
2-2.遅筋は、姿勢維持
このことからお分かりいただけるように、遅筋は姿勢の維持などに使われる。
姿勢は、遅筋によって維持されているのだ。
熟睡している方を座らせようとしても、座ってくれない。
筋肉が緩んでいるからだ。
座るときには、姿勢維持を担う遅筋がきちんと機能してくれている。
2-3.姿勢は、長時間に渡り維持される
当たり前だが、姿勢の維持は瞬発的なものではない。
あくまでも持続的なものだ。
特に上半身の姿勢は、横たわる時以外はほぼ同じだ。
朝起きてから夜寝るまで、背筋をのばしたり、猫背だったりという違いはあるが、ほぼ同じだ。
2-4.遅筋は無意識のうちに使われている
あなたは、特に意識しない限り
- 姿勢を維持しよう
と考えて姿勢を維持されているだろうか?
そうではないはずだ。
無意識のうちに、たとえば上半身を垂直に立てている。
そう、遅筋を使うことが意識の上に上ってくることはほとんどない。
遅筋は、常に使っているが、使おうとして使う筋肉ではない。
知らず知らずのうちに機能してくれている筋肉だ。
2-5.遅筋が働くには酸素が必要
そして遅筋は、酸素を必要とする。
常に必要とする。
酸素の供給が途絶えない限り、遅筋はきちんと機能してくれる。
だから、酸素の供給が途絶えると、たとえば姿勢の維持が出来なくなる。
2-6.遅筋は脂肪を燃やす
遅筋が酸素を必要とするのには理由がある。
脂肪をエネルギー源として使うからだ。
脂肪を分解してエネルギーにするには、酸素が必要だ。
この脂肪は、
- 血液に含まれる脂肪
- 内臓脂肪
- 皮下脂肪
が使われる。
ダイエットには遅筋を刺激するのが効果的
と言われる理由だ。
3.速筋は、急速な栄養補給を要求する
速筋といえば、筋トレだ。
筋トレに代表されるように、瞬発的に力を出す必要がある場合に使われる。
たとえば腕立て伏せを十回とか、二十回とか行う。
普段から行っていればそうでもないが、久しぶりに行うと、疲労感のあとに空腹感を覚えることがある。
これは、次のように説明できる。
- 筋トレなどで速筋を使う。
- 速筋を使うのに、エネルギーが必要
- エネルギーは、速筋に蓄えられている糖をもちいる。
- 糖を使い果たすと、それ以上は動けなくなる。
- 筋トレを終えると、筋肉に糖を補給し始める。
- 糖の補給源として、外部からの栄養を要求。
- 栄養の要求が空腹として感知される。
以上が、
- 速筋は、瞬発力に優れるが、その分栄養も急速に補給することを要求する
ことの説明だ。
そのため外部からの栄養を要求するのだ。
筋トレをすると、筋肉痛を感じる。
これは、通常よりも高い負荷によって筋肉繊維が傷ついたため起きる症状だ。
この筋繊維の補修のために、傷の周辺では代謝が盛んになる。
より大きい負荷の出現に備えるため、筋繊維を太くし、さらに糖もより多く蓄えられるようにする。
超回復だ。
4.ダイエットには遅筋
ダイエットのためには、遅筋を刺激する。
速筋でももちろんかまわないが、二つの理由から遅筋の方が有利だ。
4-1.遅筋は脂肪をエネルギー源とする
詳しい理論は省くが、遅筋は脂肪を原料にする。
遅筋は外部から刺激を受けると、遅筋周辺にある脂肪を積極的に使う。
一つ目の理由は、脂肪を利用してくれるからだ。
4-2.速筋は糖をエネルギー源とする
一方、速筋のエネルギー源は、糖質だ。
無酸素状態でエネルギーを作るには、糖質を利用するしかない。
糖質は筋肉中にわずかしか存在していないので、外部から補給するしかない。
筋トレ終了後に、甘いものが欲しくなる理由だ。
速筋の周辺に脂肪があっても、無酸素状態では使うことができないので、脂肪は燃焼されにくい。
4-3.遅筋は速筋ほど栄養を急速に要求しない
それに対し遅筋は長時間にわたり刺激を受けても、急速に栄養を要求することはない。
それは、刺激を受けた箇所周辺の脂肪をゆっくりと使って代謝を行うからだ。
しかし、普段の生活のような、通常の刺激がダイエットにつながることはない。
通常の刺激以上の刺激が加わると、周囲の脂肪を普段使っている以上に使って、代謝を行う。
これがダイエットにつながるのだ。
そして脂肪が燃え始めれば、空腹感を感じにくくなる。
脂肪の長時間にわたる燃焼。
これが二つ目の理由だ。
5.生理学的説明
筋肉の種類や、仕組みを解説されているサイトがたくさんある。
興味のある方は、
- 遅筋 速筋 違い 仕組み
などのキーワードでググることをお勧めする。
なお、その中に
- ミトコンドリア
- 解糖系
という用語が出てくるかもしれない。
ミトコンドリアは、酸素を用いてエネルギーを作る出す生体の装置だ。
酸素がある条件なので、有酸素運動で活躍する。
一方の解糖系は、酸素のない状態で糖質からエネルギーを作り出す体のしくみだ。
主に無酸素運動で活躍する。
速筋は、無酸素運動で使われるので、解糖系を利用してエネルギーを作り出す。
ただし、短時間に限られている。
6.さらに詳しく知りたい方
細胞生物学の本を読むことをお勧めする。
ソレガシは
- 細胞の分子生物学(ニュートンプレス)
- エッセンシャル 細胞の分子生物学(南江堂)
- 生化学(マッキー)
- 生理学(ギャノング)
などを参考にしている。
どの本も、分りやすく書いていただいているので、価格と分量がものすごい。
かなり手ごわいが、このあたりをきちんとお読みいただくと、さらに理解が深まる。
7.まとめ
ダイエットには、速筋よりも遅筋を刺激するのが効果的だ。
遅筋は、エネルギー源が脂肪なので、減量に効果がある。
遅筋に脂肪を使わせれば、脂肪がゆっくりと減り続けるので、その間は栄養の補給が必要なくなる。
なお、遅筋を刺激する方法については、「遅筋を鍛えて、リバウンドなしダイエット!!」をお読みいただきたい。
