ウシマツです。
晩年のベートーベンの心情を表しあまりある作品。
ダイクを作曲してからはベートーベンは室内楽のみ作曲することになる。
弦楽四重奏曲とピアノ小品。
晩年の白眉
どれも味わい深いものばかりだが、そのなかでも白眉はこの曲だろう。
ダイクの前に作曲されたピアノソナタ30番は、老いてゆく自分を表現したかのような感じであった。
ダイクの後の14番のこの四重奏曲は、まさしく「祈り」というのにふさわしい。
弦楽器四本というシンプルな編成だが、密度は非常に濃い。
第一楽章
一楽章から高度の集中力が要求される。
朦朧とした曲想。
か細い旋律を支えるような伴奏。
第二楽章
二楽章はうってかわって明るいテンポのよい曲。
テンポはよい。
しかし、表現されているものは必ずしも明るいものではない。
どことなく悲しげなものが漂う。
第三楽章
三楽章は間奏曲的な位置づけ。
激しく上下する。
一瞬開放的になるが、悲しげであることには変わりはない。
第四楽章
四楽章はおだやかな曲想だ。
唯一牧歌的な雰囲気がただよう。
安堵のひとときという感じか。
第五楽章
五楽章はスケルツォだ。
激しく動き、テンポよく進む。
しかし、どこか切ない。
はしゃいでも、はしゃぎ切れない。
どこかもどかしさが感じられる。
はしゃぎながら一抹のむなしさ、悟らざるを得ないなにかを感じている。
なんともいえないさびしさ、わびしさを感じてしまう。
第六楽章
六楽章は、七楽章への前奏だ。
日曜日(2014 02 23)のサンデージャポン、サムラコウチ某さんの話題のBGMでこれが採用されていた。
「祈り」と言う意味では共通しているのだろうが、やっぱり次元が異なる。
非常な違和感だった。
第七楽章
七楽章はアレグロだ。
第一主題は非常に厳しい。
あらゆるものとの断絶を宣言するかのような厳しさだ。
一方、第二主題はうってかわって曲想が一転する。
非常に透明だ。
一筋の光によって人間は救われることを教えてくれる。
フィナーレは第一主題を基調とし、激しく運動する。
コーダはそれまでの回想、そして最後は力強く肯定して終わる。
おすすめ
オリジナルどおり弦四本での演奏もいい。
やはりスメタナカルテットか。
![]() |
|
新品価格 |
![]()
しかし、あえて弦楽合奏での演奏をおすすめする。
この作品のもつスケールの大きさが実感できる。
![]() |
|
Beethoven: String Quartets, Op.131 & 135 新品価格 |
![]()
DVDはこちら。
![]() |
|
新品価格 |
![]()
いつもまじめなウィーンフィルメンバーの、いつになく険しい表情が印象的。
特にコンマスのキュッヒル。
それだけ深い曲なのです。
ウシマツでした。
それでは。



