バーベキューなど、アウトドアで炭の火起こしには、西岡流が一番楽だ。
ねじった新聞紙を積み上げて、そのまわりに炭を並べ火を入れるだけ。
待っていればびっくりするくらい火が起きる。
あれほど重労働だった火起こしは、今では一番楽な仕事だ。
しかし、なぜ、あんなに楽に火を起こすことができるのか?
ここでは、なぜ西岡流で簡単に火が起こせるかについて、ご紹介する。
1.新聞紙と通気
結論から申し上げる。
まず、ねじった新聞紙の本数。
そして自然な通気だ。
この二つが西岡流のミソなのだ。
2.新聞紙の本数
西岡流は、ねじった新聞紙を10本使う。
これは、半分に切った新聞紙が10枚、切る前の大きな新聞紙まら5枚、ページに直せば20ページ分だ。
朝刊がだいたい36ページ、9枚なので、その半分以上を使うことになる。
考えてみれば、たかが火興しにかなりの量の新聞紙を使っていることになる。
西岡流を知る前も火興しには新聞紙を使った。
使うには使ったが、半分に切った新聞紙をせいぜい4、5枚だったろう。
適当にねじったり、折ったりして火をつけ、その上に炭を適当に置いたが、火はじきに消え、炭に火が移ることはなかった。
今では、新聞紙の量が圧倒的に足りなかったのが理解できる。
3.通気
通気がよいのも西岡流の特徴だ。
新聞紙で井桁を組んで、その周りに炭を隙間なく置いていく。
隙間なく置いても、しょせんは不揃いな木炭なので隙間だらけだ。
さらには、新聞紙もでこぼこなので隙間だらけだ。
炭も新聞紙も隙間だらけなので、空気はどこからでも入る。
下からの通気に乏しくても、横から少し扇ぐだけで簡単に火が点く。
一度火が点いたら、そのまま放っておけば自然に火が回ってくれる。
4.自然な通気
そして、隙間だらけなので、通気が自然に確保される。
火がつきにくい炭にとっては、まさに理想的な状態だといえる。
5.欠点
ただ、西岡流には欠点もある。
5-1.新聞紙のインク
火種に新聞紙を使う。
新聞紙にはインクが付着しており、これが人体に影響があるかもしれない。
そんな心配をしてしまう。
そして、その心配は正しいらしい。
正しいらしいが、心配はいらない。
なぜなら、あなたは毎日、新聞紙を火種にして火を起こし、そこで焼き物を作っていらっしゃるだろうか?
そうではないはずだ。
毎日、新聞紙を燃料にして調理しているのであれば気にはなる。
しかし、年に数回のバーベキューレベルであれば、問題ない。
気になるのであれば、新聞紙にくるまれた石焼き芋は避けた方がよいだろう。
5-2.灰が舞う
使う新聞紙の量が半端ではないので、灰が飛んで隣のサイトから苦情をいただくかもしれない。
そんなことになったら大変だ。
なったら大変だが、ならないので心配はいらない。
確かに、強い風が吹けば灰は飛んでいく。
飛んでいくが、グリルの中の灰が、隣のサイトまで飛んで苦情がくるのは、隣との距離がものすごく近い場合だろう。
たとえば1mとか、2mとかの距離だ。
そんな近い距離でいろいろなグループがバーベキューをするなど、よほどのバーベキュー渋滞クラスでないとあり得ない。
それに、新聞紙を使おうが使わまいが、木炭も灰になるので風が吹けば飛んでいく。
バーベキュー=灰は、ある意味バーベキューの常識でもある。
なお、うちわでガンガン扇ぐと面白いくらい灰が舞うが、西岡流では、うちわの出番はほとんどないので、灰は舞わない。
使うとしても、最初に柔らかく扇ぐだけなので灰が舞うことはない。
どうしても気になるのであれば、ガスを使ったグリルをおすすめしたい。
6.まとめ
西岡流は、バーベキューの火興しを楽なものにしてくれる。
今回は、なぜ楽になるのかについて考えた。
ポイントは、燃料として使用する新聞紙の量と、通気だ。
特に通気は、自然な通気が確実に確保されるので、より火が起きやすくなる。
ユーザーとしては、火が楽に点けばよいだけなのだが、その仕組みもわかるとなんとなく安心できる。
西岡流で火を起こそうと考えていらっしゃる方。
参考にしていただきたい。