夏風邪とその対策

夏は風邪を引きやすい季節だ。そして治りにくい。

何を言っているかおわかりいただけるだろうか?風邪は、冬の病気、というイメージが強い。しかし、夏は風邪を引きやすい季節なのだ。ひょっとすると、夏は冬以上に風邪を引きやすいかもしれない。

ここでは、そんな夏風邪を引きやすい理由と原因、そして予防方法をご紹介する。


1.夏は風邪をを引きやすい

夏は、風邪の季節だ。

  • 「夏は暑いから、風邪なんて引くわけがない」

とんだ間違いだ。夏は風邪を引きやすい。そう、暑いからなお引きやすくなる。そして治りにくい。それも、冬以上に引きやすく治りにくい。やっかいだ。

予防や引いてからの対策は、その原因を考えることで見えてくる。

2.原因

2-1,.疲れ

夏は疲れやすい。暑さで疲れるのに加えて、さわやかな冷房と室外、建物外との温度差が激しいため、体温調節機能がきちんと機能してくれない。

体温調節がきちんと機能しないと、温度変化にからだがついていけず、体力が低下する。そして風邪を引く。

2-2.冷たいもの

夏は暑いので、冷たいものを飲んで食べる。これにより体が冷えるから、と言うのもあるが、むしろ胃腸冷やされて弱まるからだ。胃腸が弱まるのでしっかりと栄養を取ることが出来なくなる。そのため体力が低下して風邪を引く。

2-3.冷え

夏は暑いので冷房が助かる。ところが、この冷房で体が必要以上に冷やされてしまう。体の芯まで冷やされ、冷えているので、体力が低下する。そして風邪を引く。

2-4.睡眠

夏の夜は寝苦しい。タイマーで冷房をつけても、タイマーが切れると目が覚める。そのたびにタイマーを設定し直して寝るが、夜中なんども目が覚めて、寝た気がしない。しっかり眠れないので、疲れが取れず体力が低下し、風邪を引く。

3.対策

夏風邪を引かないためのキーワードは、体力維持だ。それには、体を温めることが重要だ。夏なのに、体を温めると聞き違和感を感じる方もいると思うが、夏の体は思っている以上に冷やされている。

3-1.食事

冷たいもので胃腸が弱っているので、風邪をひいた。暑いからと言って、冷たいものを食べるとますます胃腸に負担がかかり、悪循環に陥るだけだ。食事は温かいもの中心がよい。

3-1-1.梅

といっても、食欲がないこともある。そういうときは、梅干しを使う。梅干しを裏ごしすればなおよい。面倒であれば、練り梅でもよい。梅干しの酸味で食欲をそそり、梅の整腸作用で胃腸の調子を整える。

冷たいそうめんはおいしいが、たまには、温かいにゅうめんもいい。弱った胃腸に染み渡る。練り梅を添えるだけでまた違う味が楽しめる。

3-1-2.しょうが

しょうがを使うのもいい。梅と同じく整腸作用をもつ。また、冷えた体を温めてくれる。もちろん、殺菌作用もある。ややこしい雑菌を殺してくれる。使わない手はない。

しょうがを、おろせばいいだけだ。簡単だ。面倒ならば、チューブ入りのしょうがでもよい。梅と合わせて使えば、梅の酸味としょうが。なかなか合う。ぜひ試してほしい。

3-2.お風呂

少し熱めのお湯に、おへそあたりから下を浸ける。半身浴は、胸のあたりから下だが、こちらはさらに下だ。お湯の中で足の指を動かすと、血液が先端まで流れていくのがわかる。冷えているのだ。

上半身は洗面器や手でお湯をかける。

しっかり温まると、出てから汗が引かないイメージだが、逆だ。汗の引きが温まらないよりも早い。そして寝付きもよくなる。

ちなみに、ぬるいお湯に全身つかるのものおすすめだ。この場合は十分以上つかるのがよい。なお、熱いお湯に全身つかるのはよくない。疲れてしまい、症状がさらに悪化する。

3-3.給水

ただでさえ脱水しやすいのに、さらに脱水してしまう。おまけに、胃腸が弱っている。なので、冷えたドリンクはよくない。こういう場合は、スポーツドリンクをお湯で2~3倍に薄めて飲む。そのままよりも、このくらいの方が吸収が良くなる。ハイポトニックという。

温かいスポーツドリンクなど、飲む機会はないが、冷えた体には、本当に染み渡る。もちろん、飲むときは、ガッと一気に飲むのではなく、ちびちびと飲む。少しずつだ。

4.暑いときの風邪

夏風邪はやっかいだ。冬のように、温かくしていれば回復するのとは訳がちがう。温かくすれば、暑いだけだし、なんとも決まりが悪い。

風邪は、ウィルス性のものだ。このウィルスは、実はほぼ常に体を出入りしている。それが普段発祥しないのは、免疫により押さえられているだけなのだ。

それが、夏の疲れで体力が弱ってくると、動き出す。体がだるくなる。それが風邪によるモノなのか、夏バテによるものなのかよくわからない。ここらへんが夏風邪のやっかいなところだ。

治療は、冬の風邪の場合とほぼ同じだ。体を温めて、体力を回復させる。「体を温める」とは、暑い場所に行け、というのではない。

下半身浴とか、ぬるま湯浴、しょうがを食べるとか、内側から温めることを意味する。内側から温まれば、表面が涼しくても問題ない。

まとめ

夏は風邪をひきやすい。そして、治りにくい。

治療方法は水分補給、保温。冬の風邪とあまり変わらない。

夏風邪かな?と思ったら、今回ご紹介した方法を是非試していただきたい。いつもと違う夏になる。