ひげの剃り跡は青い。
青ひげ、などとも言われる。
ひげ自体は黒なのに、なぜか青く見えるのだ。
ここではそんな、青ひげのなぞをご紹介する。
1.剃り跡が青く見える理由
結論から申し上げる。
ひげが黒く、肌の色が赤と黄色から出来ているからだ。
赤と黄色の補色が青であることに起因する。
具体的には、目の錯覚による。
2.色の三原色
色の三原色をご存じだろう。
- 赤
- 青
- 黄
だ。
全ての色は、この三色の混ざり具合で構成されている。
3.三色混ぜる
では、三色混ぜるとどうなるか?
誰しも一度は水彩絵の具なのでやったことがあるのではないだろうか。
そのときは、微妙な量の違いによって異なるが、だいたい黒でもない、茶色でもない、よくわからない色だ。
一般には
- 黒
と認識することが多いようだ。
4.肌の色
水彩絵の具で肌色を作るとき、朱色と黄色を混ぜて作った方もいらっしゃるだろう。
ヒト、特に日本人の肌の色は赤と黄色で出来ている。
5.ひげの色
一方で、ひげの色は黒だ。
三原色に黒はない。
見方を変えると、赤と黄の対比となる色は青だ。
6.補色
補色という言葉をご存じだろうか。
混ぜると灰色になる色同士の関係を言う。
厳密には灰色ではなく、よくわからない、中途半端な色の総称と考えていただければよい。
一番わかりやすいのは、
- 白と黒
だ。
白と黒を混ぜれば灰色になる。
他にもいろいろとある。
7.三原色と補色
この関係は三原色の関係から見て取ることが出来る。
たとえば、黄色と青を混ぜると緑になるが、緑は赤の対比となる色だ。
すなわち、赤と緑は補色の関係なのだ。
8.赤と黄の補色
赤と黄を混ぜた色の補色は青だ。
すなわち、肌色と青を混ぜると灰色になる。
一方、灰色は薄い黒と考えることもできる。
青ひげは肌を通してみるひげの黒だ。
ひげの黒が、肌によって薄められてみえる。
9.薄い黒
本来は薄い黒、すなわち灰色に見えるはずが、肌の色の補色である青として認識される。
だから、ひげの剃り跡は青く見える、すなわち青ひげが出現する。
単に肌の色を通して見えるからではない。
肌の色を通して黒を見るため、青く見えるのだ。
そこには、色の三原色、補色などの関係が介在しているのだ。
10.まとめ
ひげの剃り跡が青く見える理由をご紹介した。
黒いものが、肌を通すと青く見える。
不思議と言えば不思議だが、三原色や補色などの考え方を用いれば納得できる。
黒いのに、なぜ青ひげというのか、とお考えの方。
参考にしていただきたい。