クーロンの法則をご存じだろうか。
この法則には、
- クーロンの公式
と呼ばれる式がある。
その式には、クーロン定数という定数が含まれ、4π(πは円周率)と誘電率(ε)というもので構成されている。
ここでは、クーロン定数に含まれている、4πの意味についてご紹介する。
1.クーロンの法則の4πの意味
結論から申し上げる。
この4πは、半径1の球の表面積を表す。
式では、この4πが分母にあり、逆数となっている。
これは、半径1の球の表面のある一点での状態を意味している。
2.中心には荷電粒子
クーロンの法則は荷電粒子が、ある距離で作る電場の大きさを表している。
先に書いた
- 半径1の球
の中心には、荷電粒子がある。
荷電粒子は、自分自身を中心として電場を球状に作る。
イメージとしては、バスケットボールやバレーボールなどの中心に荷電粒子があり、ボールの表面は、荷電粒子が作った電場だ。
球状に広がる電場の、ある一点での大きさを表すために、球の表面積4πで割るのだ。
3.半径1の球
半径1の球の半径は、単位がない。
しかし、これはどんな長さ、距離でも電場の大きさを求めることが出来ることを表している。
そして、それを補うものがこの式には組み込まれている。
4.クーロン定数と分母
クーロンの式の分母を参照いただければわかるが、クーロン定数と分母だけを取り出すと、
- 4π・ε・(rの二乗)
が出てくる(rは、荷電粒子からの距離、εは、誘電率)。
これから、εを除いたものを取り出すと
- 4π・(rの二乗)
が出てくる。
これは、半径rの球の表面積だ。
5.半径rの球の表面積
先のクーロン定数と分母だけを取り出したものを整理すると
4π・ε・(rの二乗)
=ε・[4π・(rの二乗)]
=ε・(半径rの球の表面積)
となる。
以上のことから、クーロンの式は、荷電粒子が自分を中心として球状に作った電場の、自分から距離rにおけるある一点での大きさを表していることがわかる。
あくまで
- ある一点
だ。
全部の方向ではない。
それを表すために、その一点を含む球の表面積で割っているのだ。
6.わからなければ、いじってみる
定数や係数などで意味の分からないものがあった場合、式全体、もしくは関連する式をいじくり回すと見えてくるものがある。
今回ご紹介したものは、その一つだ。
7.まとめ
今回は、クーロンの法則に含まれている、4πについてご紹介した。
物理関係の式は、意味が分かりにくいものが多く、なかなか覚えにくいが、このように式の構造がわかると、頭に入りやすくなるかもしれない。
クーロンの法則の定数の意味が良くわからない、とお悩みの方。
参考にしていただきたい。