硯(すずり)を使っていると、墨が磨れなく(すれなく)なってくる。そして最後は、ツルツルと滑るようになってしまう。こんな経験をお持ちのかた、いらっしゃるだろう。
硯が二つあればよいのだが、そうそう硯は使うものではないし、予備の硯などお持ちでないことが多い。
ここではそんな、磨れなくなった硯の復活方法をご紹介する。
1.硯(すずり)で墨が磨れない(すれない)
墨が磨れなくなった硯は、次のようにして磨けばよい。
- 水ペーパーという紙やすりが市販されている。灰色。それを用意する。
- 水ペーパーに水をつけ、硯の磨る面(墨堂(ぼくどう)という)を磨く。
- 磨いていると、泥のようなもの(磨きカス)が出てくるので、それを水で流して、磨く。
- 3.を繰り返す。
10回くらい磨くと、もとのように墨が磨れるようになる。
2.注意
一回磨いても墨は磨れるが、すぐに磨れなくなる。ご紹介したように、十回くらいは磨きたい。
3.手入れ
使い終わったら、毎回必ず洗う。水洗いでよい。そのとき、着古したT-シャツの端切れなどでこするとこすりやすい。スポンジでもよい。
洗う時の注意は、水はねだ。墨は服につくと非常に落としにくくなる。十分に注意していただきたい。
洗ったら、洗うとき使った端切れを洗って、絞ったもので水気をぬぐい、陰干ししてしまう。
4.その他
磨きたての硯は、びっくりするほど手ごたえがあり、よく磨れる。それに、一回磨くと次はいつ磨れなくなるかわからないくらい長持ちする。
長持ちするが、なんとなく墨が上滑りのようになってきたら再度水ペーパーで磨けばよい。
本当は、硯砥石というもので磨くらしい。
5.まとめ
墨が滑ってしまい、磨れなくなった硯は水ペーパーで磨けば磨れるようになる。
普段は使わない硯。たまには墨を磨って毛筆はいかがだろうか?