激辛メニューなど、辛いものは、その辛さとそれにより引き立てられるうまみが魅力だが、辛すぎると、辛すぎてどうにもならなくなることがある。
ここではそんな、どうにもならない辛さを、少しでも軽減する方法をご紹介する。
1.お湯を飲む
結論から申し上げる。お湯だ。お湯を飲む。
といっても、熱湯である必要はない。少しぬるくなったお湯でも全くかまわない。ぬるま湯を飲むと、辛さが軽減される。
もちろん、温かいお茶などでもかまわない。とにかく温かい飲み物を飲む。
2.水を飲む
火がでるような辛さなので、
- 火を消す
というイメージから
- 水
- 冷水
を飲むことが多いが、逆効果だ。冷水を飲むと、冷水が口を通過するときの冷たさでいくらか辛さも軽減が、飲んでしまうと辛さがぶり返す、なんていう経験をお持ちの方もいらっしゃるだろう。
おまけに、辛いのでついついお水を飲んでしまい、水のおかげでおなかが膨れてしまって、後からくるお料理が全く入らない、肝心の食事が台無し、なんてこともある。
3.辛みの原因
辛みは主に唐辛子の辛さだ。
- カプサイシン
という成分であることは知られている。
このカプサイシン、その正体は油だ。油なので水にはほとんど溶けない。水との相性は最悪だ。
4.油は、温度が上がると流れやすい
油は、温度が低くなると固まる、流れにくくなってしまうのはご存じだろう。
水、特に冷水を口に入れると、油であるカプサイシンは口のなかで冷やされ、流れにくくなり、むしろ口の中に残る。そのため、冷水を飲んでも大して辛さが治まらない。
逆に、温度が上がると流れやすくなる。お湯は水よりも温度が高い。そのため、油であるカプサイシンが流れやすくなる。温度が高ければ高いほど流れやすくなる。
温度が高ければ高いほど流れやすくなるとはいえ、辛いモノでひぃひぃいってるところに、熱いモノはさすがにきつい。だから、少しさめたくらいのお湯がよい。
辛いときに口に入れても、大丈夫なくらいの熱さであれば十分。口の中の辛さを洗い流してくれる。
5.洗い物
実はあなたは、今まで述べたことを日常的に経験されている。それは食事の後の洗い物だ。
油でギトギトのお皿に水をかけても、油はほとんど落ちない。洗剤で洗っても落ちにくく、洗剤の原液を直接つけてようやく落ちるくらいだ。
しかし、水がお湯に変わるだけで状況は一変する。お湯をかけると、油は面白いように流れていく。洗剤もそんなに使わなくて済む。
もちろん、お湯は蛇口から出てくる湯沸かし器のお湯だ。せいぜい40℃もないくらいだろう。あれくらいの温度でも油は流れていく。
だから、もう少し高い温度であれば、なおさら流れやすくなる。
6.口にも優しい
辛いものでひぃひぃいっているが、お湯を飲むのは単に辛さを流すためではない。温かいモノが口に入るだけで口のなかの機能が活発になる。唾液もよく出るようになる。
7.口の機能も発揮されやすくなる
口は、常に清潔に保とうとしている。その機能は、温めた方が発揮されやすい。口の粘膜の働きが活発になるからだ。ダイエットの代謝と同じだ。冷水よりもお湯の方が断然有利だ。
8.まとめ
辛いモノを食べると、まさしく口から火が出そうになる。そのため、その火を消すために水を飲むことが多いが、飲んでもおなかが膨れるだけで辛さはいっこうに無くならない。
そんなときは、お湯を飲む。
火が出そうなのにお湯を飲むのはおかしい気がするが、辛みの成分であるカプサイシンが油であることを考えると、お湯の方がカプサイシンが流れやすい。結果として、辛さが軽減される。
辛いものは好きだが、お水ばかり飲んでしまってすぐにお腹がいっぱいになってしまう、という方、今度辛いモノを食べるときは、お湯を飲んでみていただきたい。
いつもより食事が楽しくなる。お約束する。