ダイエットに汗は付き物だ。エクササイズの後は、汗をかく。いわば
- 汗をかいた分だけ、ダイエット効果が高い
というイメージだ。
一方で、エクササイズとは関係なく汗をかくことがある。
- サウナ
- 風呂
- 唐辛子
などだ。これらは激しく汗をかくので、ダイエット効果があるといわれている。しかし、その理由を聞くとなんとなくつじつまが合わない感じがして、違和感を感じることが多い。
ここでは、エクササイズなしで汗をかくことと、ダイエットの関係についてご紹介する。
1.エクササイズなしで汗をかくこととダイエット
結論から申し上げる。エクササイズなしで汗をかくこととダイエットは関係はない。そのため、ダイエット効果はない。
この理由を順序立てて、ご紹介してゆく。
2.汗をかく仕組み
汗は、体内の温度が上昇した場合に、温度を上昇させる原因である熱を逃がすためにかく。
この体内の温度を上昇させるプロセスは、二つある。
- 自分から熱を作り出す
- 外側から熱が侵入する
1は、運動であり、発熱だ。
そして、2は、サウナ、入浴、唐辛子が該当する。
それぞれについて詳しく見ていく。
3.発熱
発熱すると、激しく汗をかき消耗する。これは、体の反応だ。ウィルスなどが浸入し、増殖を始めると体は体温を上げ始める。
目的は、ウィルスの増殖を止めることだ。生物は、温度が高すぎると生きていけない。体温を必要以上にあげて、ウィルスが増殖できない環境を作り、最後はウィルスを死滅させるのが目的だ。
目的達成のため、体は猛烈に代謝を促進し体温を上げる。これは、体の全細胞で行われる。たとえば、指先では行われない、とか、膝は行われない、ということはない。
もし体温が上がらない場所があれば、ウィルスはそこに移動し、温度の上昇を免れて増殖することになる。そのため、体のありとあらゆるところで温度を上げる作業が始まる。
すなわち、発熱は自分で熱を作り出し、体温を上げる作用だ。この作業には非常に多くのエネルギーが使われる。発熱して消耗するのはそのためだ。場合によっては、やせてしまうこともある。
やせてしまうので、発熱はダイエット効果があるといえるだろう。しかし、健康的な作用とは言えない。理論的には効果はあるが、体への負荷そのほかを考えると、すべきではない。あたりまえだが。
4.サウナ
外的な温度上昇により、熱が体内に侵入し体温が上昇する。それを下げるために、汗をかいて温度を下げる。いわば夏と同じだ。違うのは、湿度が非常に低いことくらいだ。
そのため、汗をかく原因は外的な作用による温度上昇であり、エクササイズではない。外から体内に熱が入ってくるため、体内の温度が上がる。上がった温度を下げるために、汗をかいて熱を外に逃がす。
つまり汗の原因は、
- 侵入してきた熱
であり、
- 自分で作り出した熱
ではない。
自分で作り出すのであれば、代謝が促進され脂肪が燃焼しダイエット効果があるが、外からの熱の侵入は脂肪の燃焼とは一切関係ない。そのためダイエット効果はない。
ちなみに、サウナは疲れる。しかし、この疲れは体から熱を外部に出す作用のためであるし、熱がこもることから来る疲れだ。夏の疲れと同じだ。
5.風呂
サウナと同じだ。外的な温度上昇により、上昇した体温を下げるために汗をかく。ダイエット効果はない。
6.唐辛子
サウナ、風呂と同じだ。唐辛子の刺激による体温上昇なので、ダイエット効果はない。詳しくは「唐辛子によるダイエット」をお読みいただきたい。
ただし、食欲が増してきたら食べるのを止め、ハイポトニック、水などですませばダイエット効果が得られる。食欲が増したら、食べるのを止めればよい。やせられる。
なお、ハイポトニックについては「熱中症対策、特に水分補給と予防策」をお読みいただきたい。
7.まとめ
汗をかく、という現象はダイエットに関係があるイメージをもつが、その原因をよくよく見てみると、
- 外側から侵入してきた熱を逃がす
ことがあり、エクササイズをした時と同様に汗をかくが、代謝の促進や脂肪燃焼とは全く関係がない。そのため、ダイエット効果はない。
もちろん、汗をかくのは重要だ。しかし、それとダイエットは必ずしも、関係ないことにご注意いただきたい。汗をかいてダイエット効果があるのは、エクササイズによる場合だ。参考にしていただきたい。