冬に補給したい栄養素と言えばビタミンCだ。ビタミンCを積極的に取り入れることで抵抗力をつき、風邪などをひきにくくなる、と言われる。
しかし、ビタミンCというと、生野菜や果物などをイメージすることが多く、体を冷やしてしまうイメージを持つ。寒い冬に体を冷やすのは、抵抗力をつけるどころか、抵抗力を低下させてしまう。
そこで野菜などを加熱して調理し、温かい状態で取り入れたいものだが、ビタミンCは熱に弱いといわれているので、なにをどうしてよいかわからなくなってしまう。
ところが冬の定番、鍋料理はビタミンCを取り入れるのに最適な調理方法であることをご存じだろうか?鍋料理を上手に利用することで、ビタミンCを温かい状態で体に取り入れることが出来る。
ここではそんな、鍋料理を利用したビタミンCの取り入れ方についてご紹介する。
1.冬の鍋
冬は、鍋がおいしい。大人数で囲んでつつく鍋料理はなんともいえない。なんと言っても、体が芯から温まる。
そして鍋には、冬の旬野菜をたくさん入れる。
- 白菜
- 春菊
- にんじん
- ねぎ
これらに共通する栄養素はビタミンCだ。冬の旬野菜はビタミンCを豊富に含むため、絶好の補給源だ。
2.ビタミンCは熱に弱い
ビタミンCは熱に弱い、と言われる。そのため、加熱調理は避けるか、もしくは加熱時間を短くするなどの工夫が必要と言われる。
しかし、ビタミンCの壊れ方をお分かりいただいていれば、加熱しても壊れないことがお分かりいただけるはずだ。
結論から申し上げると、加熱しても酸素に触れなければ壊れることはない。また、酸素に触れたからと言ってただちに壊れるわけではない。それなりに時間がかかる。
さらには、壊れても体内に取り込まれると修復されることもある。
なお、ビタミンCと加熱の関係の詳細は「ビタミンCは加熱すると本当に壊れるのか?」をお読みいただきたい。
3.野菜から溶け出す
ビタミンCは、野菜から溶け出す。溶け出して、野菜にはほとんど残らない。そのため、ビタミンCを取り入れるために、鍋の野菜をいただいても、ビタミンC的にはスカスカなのだ。
しかし、溶け出した先のだしには、溶け出したビタミンCが豊富に含まれていることになる。
4.残り汁、だしも取り入れる
鍋の〆は雑炊もしくは麺だろう。残り汁にご飯や麺を入れて、すべていただいてしまう。実は、この〆が重要なのだ。
つまり、残り汁、だしは、野菜から溶け出したビタミンCがふんだんに含まれている。これをすべて取り入れれば、野菜のビタミンCをすべて取り入れるのと同じことになる。
5.鍋のだしは高カロリー
といっても、鍋の残り汁、だしは高カロリーと言われる。そのため、残り汁、だしなどは、ダイエットしている場合には捨てるべき、と言われる。
この高カロリーの原因は、肉や魚から出てくる脂肪分によるものだ。これらの脂肪分が気になるのであれば、おたまなどですくって取り除けばよい。
- 脂肪分を捨てると、ビタミンCも一緒に捨てることになるのでは?
というイメージを持たれるかもしれないが、心配はご無用だ。なぜなら、ビタミンCは水溶性、すなわち水に溶ける性質があるため、油との相性は極めて悪い。
そのため、脂肪分を捨ててもそのなかにビタミンCはほとんど含まれていない。
だから、脂肪分をとりのぞけばカロリーを下げることができ、安心してビタミンCをとりいれることができる。
6.まとめ
冬は、ビタミンCを豊富に含む野菜の旬だ。そして、それら野菜を効率よく取り入れる方法の一つが鍋だ。
ビタミンCは加熱に弱いと言われているが、その弱い理由がわかれば、なぜ鍋がビタミンCを取り入れるのに適しているかがわかる。
あなたも是非鍋料理で冬の旬野菜をたくさん取り入れてほしい。そして、上手にビタミンCを取り入れて寒い時期を元気で過ごしていただきたい。